自動火災報知設備の設置を検討している人の中には、「設置基準を知りたい」「工事費用の目安を知っておきたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
自動火災報知設備は、火災をいち早く検知し、警報を発して人の命や財産を守る大切な設備です。ただし、建物の種類や規模によって設置基準が異なり、適切な機器の選定や工事には専門的な知識が求められます。
この記事では、自動火災報知設備の基本や設置基準、工事費用の相場をわかりやすく解説します。設置をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
自動火災報知設備とは
自動火災報知設備は、火災の発生をいち早く検知し、警報を発するシステムです。
主に熱や煙、炎を感知し、非常ベルや館内放送などを通じて建物内の人々に火災の発生を知らせます。それにより、火災の早期発見が可能になり、迅速な避難や消防への通報につながるのです。
自動火災報知設備の設置は、建物の用途や規模に応じて消防法で義務付けられており、適切な配置基準が定められています。オフィスビルや商業施設、病院、学校など、さまざまな施設に設置されており、万が一の火災時に迅速な対応を可能にする重要な設備です。
仕組み
自動火災報知設備は、複数の機器が連携して火災を検知し、警報を発するシステムです。主な構成要素は以下の4つです。
- ・受信機(感知器や発信機からの信号を受け取り、火災発生場所を特定して警報を作動させる装置)
- ・感知器(火災を自動で検知するセンサー)
- ・発信機(手動で警報を発する装置)
- ・地区音響装置(ベルやサイレンを鳴らして火災を知らせる装置)
火災を感知すると、その信号が受信機へ送られ、火災発生エリアが表示されます。建物によっては、スプリンクラーや非常口の自動開放装置などの消火・避難設備と連携し、迅速な対応を可能にします。
また、発信機を使えば、火災を発見した人が手動で警報を発することも可能です。押しボタン式やガラス破壊式などがあり、簡単な操作で警報が作動します。
なお、受信機や発信機には、火災発生を視覚的に知らせる表示灯が付いていることが一般的です。これにより、火災の発生を視覚的にも確認でき、より迅速な対応が可能になります。
自動火災報知設備の設置基準
消防法では、以下の3つの基準を軸に、自動火災報知設備の設置基準が定められています。
- ・無条件で設置義務がある建物
- ・用途と面積で設置義務が決まる建物
- ・例外的に設置義務が発生する建物
自動火災報知設備の設置基準について、詳しくみていきましょう。
無条件で設置義務がある建物
以下の建物では、原則として自動火災報知設備の設置が義務付けられています。
- ・11階以上の建物
- ・カラオケボックスなど個室を使用する建物
- ・入院患者の避難支援が必要な病院・診療所
- ・宿泊可能な福祉施設、老人ホームなど
- ・航空機の格納庫
- ・文化財に指定された防火対象物
- ・特定一階段等防火対象物
「特定一階段等防火対象物」とは、3階建て以上の建物で、3階以上または地階に特定用途(飲食店、ホテル、病院、劇場など)があり、避難階へ通じる屋内階段が1つしかない建物のことを指します。不特定多数の人が利用することが多く、避難経路が限られる点が特徴です。
これらの建物は、火災が発生した場合に避難が困難であったり、大規模な被害につながったりする可能性が高い建物です。被害が大きくならないよう、最も厳しい設置基準となっています。
ただし、延べ面積が300㎡未満の建物の場合、設置基準が異なる場合もあります。
用途と面積で設置義務が決まる建物
無条件で設置義務がある建物以外では、「建物の用途と延べ面積」の条件を満たす場合に設置義務が発生します。用途と延べ面積に応じた基準は、以下の通りです。
延べ面積 | 設置義務が生じる建物 |
300㎡以上 | 劇場、集会場、キャバレー、風俗営業店舗、飲食店、物品販売店、百貨店など |
500㎡以上 | 共同住宅、学校、図書館、工場、スタジオ、駐車場、倉庫など |
300㎡以上の施設では、不特定多数の人が利用することが多く、火災時の混乱を防ぐために設置が求められます。500㎡以上の施設では、建物が大きくなることで避難経路が複雑になりやすく、安全な避難のために警報設備の設置が不可欠です。
例外的に設置義務が発生する建物
以下の条件に該当する建物では、建物の規模にかかわらず設置義務が発生する場合があります。主な条件は、以下の通りです。
- ・無窓階
- ・地下にある施設
- ・3階以上に特定用途がある建物(特定一階段等防火対象物など)
無窓階では、換気が困難なため煙が滞留しやすく、避難が遅れる恐れがあります。また、地下施設は出口が限られていることが多く、スムーズな避難が難しくなる傾向があります。さらに、高層階(3階以上)に特定用途がある建物では、避難経路が制限されるため、火災による影響が大きくなりがちです。
加えて、消防法で定められた指定数量の500倍以上の可燃物を扱う施設では、より厳しい基準が適用されることがあります。市町村ごとの条例によって設置基準が異なる場合もあるため、事前に防災設備の専門業者へ相談すると安心です。
自動火災報知設備の設置工事の費用相場
自動火災報知設備の設置工事にかかる費用は、1台あたり約30,000円〜50,000円が相場とされています。 ただし、これは単体機器の価格であり、建物全体の設置費用は、規模や構造、設置する機器の種類や数量、配線工事の難易度などによって大きく変動します。
たとえば、広い建物では、設置する感知器や発信機の数が増えるため、費用が高額になりがちです。 また、ホテルや病院などの宿泊・医療施設では、特定の基準を満たす設備が必要となるため、オフィスや店舗に比べて工事費用が高くなる傾向があります。
工事には、事前調査や配線工事、設置作業、試運転、消防署への届出対応などが含まれ、作業内容や工数に応じて費用が変わります。
設置を検討するときは、複数の業者から相見積もりをとり、適正価格を確認することが大切です。
自動火災報知設備に関するご相談なら
自動火災報知設備は、火災を早期に検知し、被害を最小限に抑えるために欠かせない設備です。しかし、適切に設置するためには、専門的な知識と経験が必要になります。
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