天井スプリンクラーの種類・仕組みは? 価格・設置費用についても
  • コラム
Date:2025/07/08

天井スプリンクラーの種類・仕組みは? 価格・設置費用についても

火災が発生した際に、被害の拡大を防ぐために欠かせないのが「消火設備」です。特に商業施設や医療機関、介護施設など、多くの人が利用する建物では、天井に設置されるスプリンクラーが重要な役割を果たします。しかし一口にスプリンクラーといっても、様々な種類があり、仕組みや特徴が異なります。

今回の記事では、天井スプリンクラーの概要をはじめ、種類別の仕組み、特徴、設置基準、価格・費用などを解説します。

天井スプリンクラーについて知りたい方、設置・更新を予定されている方はぜひ参考にしてください。

 

天井スプリンクラーとは?

建物内で火災が発生した際に、初期消火を行う設備を指します。天井に取り付けられた専用の噴出口から水が噴霧され、炎の拡大を防ぐことで、人命の安全確保と財産被害を軽減します。

人の手を介さずに迅速な消火対応が可能な点が大きな特徴で、自動で作動するため、夜間や無人の状態でも初期対応が可能です。商業施設、オフィスビル、工場、倉庫、病院、介護施設など、火災リスクの高い建物で広く採用されており、法令により設置が義務づけられている施設もあります。

 

【種類別】スプリンクラー設備の仕組み

【種類別】スプリンクラー設備の仕組み

スプリンクラー設備は主に「閉鎖型」「開放型」「放水型」に分けられます。それぞれの特徴と仕組みを紹介します。

 

閉鎖型

最も一般的に使われているタイプで、スプリンクラーヘッド(噴出口)に熱感知装置が組み込まれているのが特徴です。通常はヘッドの先端が金属製の蓋やガラス球で閉じられており、内部に水が溜まった状態で待機しています。

 

火災により周囲の温度が一定以上に達すると、その熱感知装置が作動し、水が噴出されます。その仕組みにより、火元付近のヘッドのみが作動し、必要な場所に限定して放水が行われるため、水損リスクを最小限に抑えることができます。

閉鎖型スプリンクラーには、設備全体に常時水圧がかかっている「湿式」、配管内に空気圧がある「乾式」、火災感知器の信号で起動する予作動式などがあります。

 

開放型

閉鎖型とは異なり、スプリンクラーヘッドに熱感知装置が付いていないタイプです。通常はすべての噴出口が開放された状態で設置されており、火災発生時には人が操作するか、自動火災報知器と連動してポンプやバルブを作動させることで、同時に複数のヘッドから一斉に放水されます。

主に工場や倉庫、大型の商業施設など、火災の拡大リスクが高い場所に向いています。水だけでなく泡や薬剤を放出するシステムと組み合わせて使われることもあります。全体放水型のため水損のリスクは高いですが、火災の広がりを抑えるという点で強力な消火手段です。

閉鎖型に比べて広範囲の同時対応が可能なため、大空間に向いていますが、その分運用には慎重さが求められます。

 

放水型

火災による煙や熱を検知して、壁や天井に設置されたノズルから広範囲に水を放射するタイプの設備です。閉鎖型や開放型と比べて、水の噴射方向や範囲を広く取れるよう設計されており、高天井の空間など、通常のスプリンクラーでは対応できない場所に用いられます。

使用されるのは主に特殊用途施設や大型物流倉庫などで、火災の早期拡大を抑える補完的な役割を担います。設備の選定にあたっては、建物の空間特性や天井高なども考慮することが大切です。

 

スプリンクラー設備の設置基準

スプリンクラー設備の設置基準

消防法施行令第12条では、建物の用途・規模・階高に応じてスプリンクラー設備の設置基準が細かく定められています。例えば、劇場や映画館などでは舞台部が地階・無窓階・4階以上にある場合、床面積が300㎡を超えると設置が必要です。

さらに、高層建築物(地上11階以上)や、ホテル・百貨店などで延べ床面積が一定規模を超える施設にも義務付けられます。加えて、ラック式倉庫(天井高10m超・延べ面積700㎡以上)、指定可燃物を大量に取り扱う施設なども対象に含まれます。

特に注意すべきは、法令改正により介護老人福祉施設や障害者支援施設など、避難が困難な人を主として入所させる福祉施設では、延べ面積にかかわらずスプリンクラーの設置が義務化されている点です。

設置に際しては、スプリンクラーヘッドの配置、水源容量、非常電源、送水口の設置など、技術的な基準にも適合させる必要があります。また、他の自動消火設備(泡・ガス・水噴霧など)を導入している範囲については、スプリンクラーの設置を省略できる場合もあります。

施設の規模・用途に応じた適切な設計と法令遵守が求められます。

参考:消防法施行令 第十二条(スプリンクラー設備に関する基準)

 

天井スプリンクラーの価格・設置費用

天井スプリンクラーの価格・設置費用

天井スプリンクラーを設置する場合、機器そのものの価格だけでなく、配管工事・水源の確保・届出対応など、様々な費用が発生します。一般的にスプリンクラーの設置費用は1台あたり10万〜20万円程度が目安になります。必要台数や建物の構造によって総額は大きく変わりますが、100万~300万円程度が目安になるでしょう。

なお、施設の種類や条件によっては、設置費用の一部を支援してもらえる補助金制度を活用できる場合があります。補助金を利用することで、費用負担を軽減できる可能性がありますので、導入を検討される際は、各自治体や関係機関の制度情報を確認することをおすすめします。なお、設置費用だけでなく、維持・点検費用などもかかることを事前に理解しておくことも重要です。

 

スプリンクラー設備に関するご相談なら

今回は、天井スプリンクラーの概要や、種類や仕組み、設置基準、費用などを解説しました。天井スプリンクラーは、火災時の被害を最小限に抑える重要な消火設備で、種類や仕組み、設置基準を理解し、施設の用途や構造に合ったタイプを選ぶことが大切です。

なお、スプリンクラー設備をはじめとした消火設備に関するご相談、お悩みがございましたらぜひカメガイ防災設備株式会社にお問い合わせください。

名古屋を中心に小牧・一宮・春日井など東海エリアで年間工事300件以上・点検5,000件以上の実績を誇る防災設備の専門業者です。技術力と丁寧な応対に定評があり、大型施設にも対応可能です。

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