消防用設備点検の対象となっている建物の職員には「どのように点検や報告をするのか」「実施の流れがわからない」という方もいるのではないでしょうか。
本記事では、消防用設備点検の概要や報告の流れ、点検業者を選ぶポイントについて解説します。今後、設備の点検や業者の選定をしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
消防用設備点検とは?
消防用設備点検とは、人命を守る消防用設備が正常に作動するか確認する点検のことです。消防法が定める防火対象物の関係者には、消防設備の定期的な点検を実施し、その結果を消防長または消防署長に報告する義務があります。この制度を「消防用設備等点検報告制度」といいます。
万が一の災害が起きたときに、消防用設備が作動しないと人命を守れません。そのため、定期的に点検を実施し、災害に備える必要があります。
また、緊急時ではないタイミングにも消防用設備を作動させることで、機能低下を防ぐことが可能です。
消防用設備点検の実施後は、点検結果報告書を作成し、管轄の消防署へ提出が義務付けられています。消防法に定められた点検と報告を怠った場合は、30万円以下の罰則もしくは拘留の罰則が課されます。点検と報告の義務がある設備関係者は、規則に沿って定期的な点検を実施しましょう。
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消防用設備点検の報告制度について
消防用設備等点検報告制度で定められている建物の基準や点検方法、点検時の流れについて解説します。
対象の建物
消防用設備点検の対象となる建物は、不特定多数の方が利用する建物で、以下の条件を満たすものです。
- 延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物
- 消防長または、消防署長の指定する、延べ面積1,000㎡以上の非特定防火対象物
- 特定一階段等防火対象物
特定防火対象物とは、不特定の方が利用する複合施設やレジャー施設、宿泊施設、病院、地下街などを指します。
一方で、非特定防火対象物とは、特定防火対象物以外の建物で消防長や消防署長の指定を受けたものです。利用する人が限られる共同住宅や学校、事務所、工場などが指定されています。
特定一階段等防火対象物とは、地階または3階以上の部分に特定用途部分(不特定の方が出入りする場所)があり、避難時に使用できる階段が内部に一箇所しかない建物です。
このように、建物内で火災が発生したときに、人命にかかわる被害のリスクが大きい建物は、消防用設備点検の報告が義務付けられているのです。
点検の種類・期間
消防用設備点検には2種類の点検があります。それぞれの点検期間は、以下のとおりです。
- 機器点検:6ヶ月に1回の実施
- 総合点検:1年に1回の実施
消防用設備には、機器点検と総合点検のいずれか、または両方の点検が必要な建物があります。
点検方法
機器点検と総合点検では、点検方法が異なります。
機器点検では、非常電源(自家発電設備に限る)や動力消防ポンプの動作確認や、目視で判断ができる範囲内で損傷などの有無、簡易的な動作確認をおこないます。
一方、総合点検では、消防用設備のすべて、あるいは一部を作動させて正常に機能するか確認をおこないます。
点検の流れ
防災用設備点検の流れは、以下のとおりです。
- 消防設備業者への点検依頼
- 消防設備士または消防設備点検の有資格者による点検の実施
- 点検結果報告書の作成
- 管轄の消防署長の窓口または、郵送での報告書の提出
- 不備が認められた場合は、速やかに改修を実施する
以上が防災用設備点検の大まかな流れです。設備関係者や点検に係る関係者は、点検の前に流れを把握しておきましょう。なお、点検の実施時には、点検を実施する施設の関係者の立会いを求められる場合があります。
点検後の報告
消防法の規定により、消防用設備を設置した建物には、点検後に結果を報告する義務があります。建物別の報告期間は以下のとおりです。
- 特定防火対象物:1年に1回
- 非特定防火対象物:3年に1回
点検結果は、維持台帳に記載して消防本部の消防長または消防署長に提出します。市町村内に消防本部がない場合は、市町村長へ直接または郵送での報告が可能です。
消防用設備点検の業者選定のポイント
消防用設備点検の業者を選定するときは、以下のポイントを意識しましょう。
- 消防設備士または消防設備点検資格者が在籍
- 点検の実績が豊富
- 書類作成や届出に対応
- 緊急時に迅速に対応
- 見積書を明瞭に記載
- 点検に関わる損害賠償保険に加入済み
また、点検を依頼する業者の担当者とスムーズなやり取りができるかどうかも大切です。
点検結果を報告しなかったり虚偽の点検結果を報告したりした場合、罰則の対象となるのは設備関係者です。信頼できる点検業者に依頼できるように、上記のポイントをしっかり把握しておいてください。
消防用設備点検の業者をお探しなら
消防法の規定により、人命を守る防災装置が設置されている建物では、有資格者による消防用設備点検の実施と報告が義務付けられています。
点検の種類は、機器点検と総合点検の2種類です。「特定防火対象物は1年に1回」「非特定防火対象物は3年に1回」のように、報告期間が定められており、点検後は、消防長または消防署長への報告義務があります。
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