• コラム
Date:2023/10/17

防火設備定期検査とは?対象や報告時期・罰則などを解説

 

防火設備定期検査は、火災の被害を最小限に抑え人命を守るための「防火設備」を点検する制度です。防火設備が設置されている建物またはその管理者には、建築基準法に基づく点検と報告が義務付けられています。

火災から人命を守るためには、防火設備の動作性や安全性を検査しておくことが重要です。

この記事では、防火設備定期検査の内容や対象の建物、検査の流れなどを解説します。業者選定のコツも解説しますので、防火設備定期検査について知りたい方や点検業者を探している方は、ぜひ参考にしてください。

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防火設備定期検査とは?

防火設備定期検査とは、火災による被害を減らすために、防火設備を定期的に点検する法定検査です。

建築基準法第12条が定める定期報告制度の一つで、特定行政庁への検査結果の報告が義務付けられています。

防火設備定期検査は、2013年に福岡市の診療所で発生した火災で多くの死傷者を出したことをきっかけに施行されました。原因は防火設備の点検不足とされ、しっかりと点検し事故を防止するように2016年に新設された制度です。

防火設備には、火災が起きたときに「異常をすぐに察知して伝える」「人命を守る」「被害を最小限に抑える」などの役割があります。うまく機能しないと大きな被害がでることになります。

火災から人命を守るためには、定期的に点検を行い、設備がしっかり機能しているか確認することが大切です。

防火設備定期検査の報告制度について

防火設備定期検査の報告制度について、対象の建物や検査内容、報告の流れなどを解説します。

対象の建物

防火設備定期検査の対象となる建物は、特定行政庁によって以下のとおりに分類されています。

対象となる建物の用途 対象用途の位置や規模(いずれかに該当する場合)
建物の階数 建物の床面積
劇場、映画館、演劇場 ・3階以上の階にあるもの

・主階が1階にないもの

・地階にあるもの

・客席の床面積が200㎡以上のもの
観覧場(屋外以外)、公会堂、集会場 ・3階以上の階にあるもの

・地階にあるもの

・客席の床面積が200㎡以上のもの
病院、有床診療所、宿泊施設など ・3階以上の階にあるもの

・地階にあるもの

・2階の床面積が300㎡以上のもの
体育館、博物館、図書館、スポーツの練習場など ・3階以上の階にあるもの ・床面積が2,000㎡以上あるもの
百貨店、展示場、ナイトクラブ、公衆浴場、飲食店など ・3階以上の階にあるもの

・地階にあるもの

・2階の床面積が500㎡以上のもの

・床面積が3,000㎡以上あるもの

地域の実情に応じて、特定行政庁が対象を定めることもあるため注意が必要です。建物が検査対象かどうかは、管轄の特定行政庁のウェブサイトや点検業者を通じて確認してください。

検査内容

防火設備定期検査では、4種類の設備を検査します。各項目の検査内容は以下のとおりです。

防火設備の種類 使用目的 検査内容
防火扉(戸) 火災の拡大を防ぐ

炎の貫通を防ぐ

・開閉が妨げられる物が周辺にないか

・部品の劣化や損傷の有無

・危険防止装置の動作、反応性

防火シャッター 火災・煙の拡大を防ぐ

防火区画の確保

・開閉が妨げられる物が周辺にないか

・ローラーチェーン、ワイヤーロープの劣化や損傷の有無

・危険防止装置の動作、反応性

・煙・熱感知器との連動操作確認

耐火クロススクリーン 火災の拡大を防ぐ

防火・防煙区画の確保

・開閉が妨げられる物が周辺にないか

・ローラーチェーン、カーテン部の劣化や損傷の有無

・危険防止装置の動作、反応性

・煙・熱感知器との連動操作確認

ドレンチャー 建物の外側に水幕を張り、火災の拡大を防ぐ ・散水が妨げられる物が周辺にないか

・散水ヘッドの位置

・貯水槽などの設備の劣化や損傷の有無

このように、各装置の動作性や反応性、部品の劣化・破損、安全装置は機能しているかなどを確認します。

検査をおこなえる有資格者

防火設備定期検査をおこなうために必要な資格は、以下の3つです。

・防火設備検査員

・一級建築士

・二級建築士

防火設備検査員は2016年6月の建築基準法改正にあわせて新設された資格です。いずれも国家資格であり、有資格者は防火設備の点検や動作確認、定期報告をおこないます。

ただし、資格を持っているだけで正確な点検や報告ができるわけではありません。定期点検は、専門的な技術や知識を持つ業者に委託しましょう。

報告時期・流れ

防火設備定期検査は、原則1年に1回の報告が必要です。ただし、報告時期や回数は特定行政庁によって異なる場合があります。事前にウェブサイト等で確認しておきましょう。

所定の報告時期が近づくと、特定行政庁から建物の所有者または管理者に検査通知書が郵送されます。検査の案内が届いたら、防火設備定期検査を実施し、結果を特定行政庁に報告しましょう。検査の流れは以下のとおりです。

1、検査をおこなう業者の選定

2、物件ごとに必要書類を準備

3、検査の実施

4、報告書の作成

5、報告内容の確認・捺印

6、特定行政庁へ提出

7、報告書の副本が業者へ返送される

検査時に必要な書類は建物の平面図、消防設備点検報告書ですが、初回の検査では確認済証や検査済証などの数多くの書類が必要です。

また、防火設備定期検査の実施から報告書の提出までの期間は、特定行政庁によって異なります。事前にウェブサイト等で確認し、検査後はすみやかに提出しましょう。

防火設備定期検査は、毎年行われる大切な検査です。細かい部分まで正確に検査するには、実績豊富で信頼できる業者に依頼すると安心でしょう。

カメガイ防災設備株式会社は、東海を中心に全国で防災設備の設置工事や設備検査をおこなっています。年間点検数5,000件以上の確かな実績と丁寧な点検作業で大切な建物を守ります。

防火設備定期点検に関するご相談は、カメガイ防災設備株式会社へお気軽にお問い合わせください。

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防火設備定期検査の罰則について

建築基準法では、防火設備定期検査の実施に関する罰則規定が定められています。

防火設備定期検査の定期報告は、対象の建築物の管理者の義務です。検査通知書が届いても検査を実施しないまたは虚偽の報告をすると、100万円以下の罰金が課せられる可能性があります。

万が一、検査の未実施によって火災がおきると、大きな被害が生じるかもしれません。建物の所有者や管理者の罰則はとても重くなるでしょう。

防火設備は人命を守るために設けられていることを理解し、定期的に検査を実施する必要があります。

防火設備定期検査関連の業者をお探しなら

防火設備定期検査とは、火災の拡大を防ぐための防火設備の安全性や機能性を点検する定期点検制度です。

建築基準法に定められる対象の建築物は、1年に1回の有資格者による点検を受けて、特定行政庁に報告する義務があります。

防火設備のある建物の管理者や所有者には、定期的に点検を実施し、火災による被害を最小限に抑える努力をしなければなりません。報告を怠った場合は100万円以下の罰金が課せられる可能性があります。

豊富な実績と確かな技術を持つ点検業者をお探しの方は、カメガイ防災設備株式会社にご相談ください。カメガイ防災設備株式会社では、防火設備検査員や消防設備士などの有資格者が多数在籍しており、年間5,000件以上の点検実績があります。

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